建設キャリアアップシステム登録へ

 国は、(財)建設業振興基金を通じて、建設技能者一人一人の就業履歴や資格を登録することにより、技能の公正な評価や工事の品質の向上、現場の効率化につなげるシステムを稼働させ始めました。「建設キャリアアップシステム」です。
 このシステムでは、、システムに登録した一人一人の技能者に対し、ICカード(建設キャリアアップカード)を交付し、いつ、どの現場に、どの職種で、どの立場(職長等)で働いたかを日々の就業履歴として電子的に記録・蓄積することができるとされています。また、どのような資格を取得し、講習を修了しているかも蓄積できます。
 このような情報をもとにして最終的にはそれぞれの技能者の適切な評価に結び付け、処遇の改善や人材育成につなげたい、としています。
 このシステムは、優秀な人材を抱える専門工事業者の施工力の見える化、人材育評価の横断的な仕組みを構築することをめざしているようです。建設業が優秀な人材にとってより魅力ある産業となるための基本的なインフラとなる、としています。
 既に、外国人労働者の管理団体の一部では、事業者に登録を要請しています。
 ご相談ください。

リファラル採用とは

 近年話題とされているリファラル採用ですが、簡単に言えば、従業員から友人・知人を採用候補者として紹介を受ける制度です。所謂縁故採用やリクルーター制度とよく似ていますが、リファラル採用は特定の者ではなく従業員全員が紹介者であり、紹介される人物に限定がない点が異なります。メリットは採用コストが安い。広告費が掛からない。会社と相性の良い人材が紹介されやすい。知り合いのため離職率が下がる等があります。
 ただし、これは職業安定法上の「労働者の募集」に該当するため、採用候補者の紹介を従業員の業務とするのか、厚生労働大臣の許可を会社として受けるのか、紹介した従業員に対して報酬(給与やそれに準じたものを超えるもの」)をどうするか、と難しい問題もあります。
 リファラル採用を成功させるためには従業員が協力したくなるような環境づくりがどうしても必要です。必要な制度設計につきましてはご相談ください。

台風15・19号の災害に伴う雇用調整助成金の特例措置

 雇用調整助成金は、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、一時的に休業、教育訓練又は出向を行うことにより労働者の雇用を維持した場合に、休業手当や賃金の一部を助成するものですが、今回の台風に伴う「経済上の理由」により休業等せざるを得ない事業主も対象となります。
 休業の初日が、台風15号の場合は令和元年9月9日~令和2年3月8日、台風19号の場合は令和元年10月12日~令和2年4月11日の場合に適用されます。
1.通常助成金対象となる休業を行う場合には事前に計画届の提出が必要とされますが、今回の場合は、災害発生日に遡っての計画届の提出が可能とされています。
 ①台風15号の影響による休業については令
 和元年9月9日以降
 ②台風19号の影響による休業については令
 和元年10月12日以降
に休業の初回がある計画届については令和2年1月20日までの提出で認められます。
2.生産指標の確認期間が3か月→1か月に短縮されます。
 最近一か月の販売量、売上高等が前年同期に比べ10%以上減少していれば要件が満たされます。
3.起業後1年未満の事業主も対象です。
 災害発生時一年未満の事業主については、生産指標を災害発生時直前と比較することとされています。
4.最近三か月の雇用量が前年対比で増加している場合でも助成対象です。 
 通常は、雇用保険被保険者や派遣労働者の雇用量が最近三か月の平均値で一定程度増加している場合は助成対象とはなりませんが、今回は当該要件は撤廃です。該当する場合はご相談ください。

編集後記

 17日、日経平均は前営業日比138円77銭高の2万4091円12銭となり、13日に付けた年初来高値2万4050円04銭を更新して始まりました。米中通商協議が好転との期待を背景にバブル最高値の更新が現実味を帯びてきたようです。
 しかし、ちょっとした言動で大きく変動する経済指標は手放しで喜んでもいられませんが、良い締め括りでありたいものです。本年も1年間ありがとうございました。来年も何卒宜しくお願い致します。