厚生年金報酬月額上限改定
令和2年9月1日より厚生年金の標準報酬の最高等級が引き上げられ、現在の第31級・62万円のうえに、新たな等級第32級・65万円が追加されます。詳細以下のとおりです。
[改定前]
月額等級 標準報酬月額 報酬月額
(旧)第31級 620,000円 605,000円以上
[改定後]
月額等級 標準報酬月額 報酬月額
(新)第31級 620,000円 605,000円以上
635,000円未満
(新)第32級 650,000円 635,000円以上
新等級に該当する被保険者(月額報酬635,000円以上の方)がいる対象事業主には年金機構より「標準報酬改定通知書」が送付されます。届け出は不要です。ご留意下さい。
建設キャリアアップ料金体系見直し
国土交通省では、建設技術者の保有資格や就業履歴等の情報を建設キャリアアップシステムに登録・蓄積し、これを活用することによって技術者の処遇改善や技能の研鑽を図る環境の整備を進めているところですが、今回このシステムの料金見直しの議論が大詰めを迎えています。
国土交通省は値上げ案を提示しておりますが、業界団体としては登録を進めている現状値上げについては厳しいとする意見が多く、合意には至りませんでした。今後は協議会により議論されることとなりました。
このシステム運営の安定化に向け、技術者の就労履歴を確実に把握するため、民間システムの代替も含め現場へのカードリーダーを設置することについては概ね了解されているようです。しかし、設置が団体や職種ごとのノルマになることへの警戒心は強く、今後の展開には要注意ではないでしょうか。
システムの事業者情報登録、技能者登録につきましてはご相談下さい。
雇用保険の基本手当日額変更
令和2年8月1日より雇用保険の基本手当日額が以下のとおり変更されました。
【最高額】
①60歳以上65歳未満
7,150円→7,186円
②45歳以上60歳未満
8,330円→8,370円
③30歳以上45歳未満
7,570円→7,605円
④30歳未満
6,815円→6,850円
【最低額】
2,000円→2,059円
高年齢雇用継続給付の額も令和2年8月1日より以下のとおり変更となっています。
支給限度額 363,344円→365,114円
最低限度額 2,000円→ 2,059円
60歳到達時等の賃金月額
上限額 476,700円→479,100円
下限額 75,000円→ 77,220円
初日が令和2年8月1日以降の支給対象期間より、育児休業給付の支給限度額が以下のとおり変更されます。
上限額 304,314円→305,721円
下限額 227,100円→228,150円
初日が令和2年8月1日以降の支給対象期間より、介護休業給付の支給限度額が以下のとおり変更されます。
上限額 335,067円→336,474円
施工管理技術検定不正防止
建設業法に基づく施工管理技術検定において、不正取得の発生に伴い、国土交通省は再発防止策の検討に乗り出しました。
大和ハウス工業は昨年12月、社員371人が実務経験の要件を満たさず受験し、施工管理技術士取得していたと国土交通省に報告したところ、本年3月には水道機工、4月に西武建設、西武造園も同様に不備があった事が判明したため、このような事態になりました。
国土交通省では防止対策の検討に有識者会議「技術検定不正受験防止対策検討会」を始動させております。2021年度試験より対策を講じることとしています。
産業廃棄物講習会再開
長らく中止しておりました産業廃棄物の講習会ですが、オンラインによる講習が始まりました。Web申し込みのみ、在住の都道府県でのみ受験可能とされておりますが、オンラインでの受講後試験は会場で受けることとされています。許可期限が近い事業所様はご確認下さい。
編集後記
なかなか収束の道筋が見えてきません。東京都の200人超えは既に何らの感慨も浮かばなくなりました。お盆休暇は如何でしょうか。巣ごもり生活には慣れませんが、最近はテレビでYouTubeやネットフリックスを良く視聴するようになりました。落語や講談は聞く機会がなかったのですが、新しい発見です。一之輔や伯山のお蔭でしょうか。エンタメ業界は厳しい折ですが、YouTubeで投げ銭も愉しいものです。「人間は哀れむべきものではない。尊敬すべきものだ。」尊敬を忘れず、コロナや震災を受けた方々に協力したい、と思います。