雇用調整助成金来年2月まで延長

 政府は、12月末日で期限を迎える雇用調整助成金の特例措置について、日額の上限引き上げ(日額8,300円→15,000円)や助成率(中小企業2/3→100%、大企業1/2→3/4)の拡充を来年2月末日まで延長することを決定しました。延長は、9月、12月に引き続き3回目となります。
 3月以降は、感染状況や雇用の様子を見ながら、この上限額や助成率を段階的に縮小する考えを示していますが、野党立民の枝野代表は2月は中途半端だとし、共産の田村委員長も小出しのやり方をしていると雇用が失われる、と言っています。
 感染拡大が収まらなければ4月までの再延長もあるかもしれません。

(2021年1月現在、3月末までの延長が決定しています)

国交省アンケート調査実施

国土交通省は建設業における社会保険加入状況や技能労働者の賃金支払い状況に関する実態調査を開始します。任意抽出した3万社からウェブアンケートの協力要請を送付するそうです。
 今回から建設キャリアアップシステムに関する設問が新設され、登録状況、現場での活用状況、更には未登録、活用していない理由等も回答を要請する方向です。
 また、一人親方の実態に関しても設問が拡充され、労務提供だけが多いのか、工事一式請負の方が多いのか、見積書の作成、報酬、仕事量や配分等きめの細かい設問が増加しています。前回追加された建設業退職金共済の交付状況なども回答するようです。
 調査は今回で4回目、担い手確保に関する取組施策に大きく影響するので、協力頂きたいとのことです。
 建設キャリアアップシステムに関しましては、国交省が積極的に推奨している割にサポート体制が脆弱で、電話によるサポートが突然9月末日に終了してしまうなど、不親切な対応が目立つところですが、ご検討されております場合には、ご相談下さい。

労災特別加入制度対象拡大

 原則として使用者に雇用される労働者が対象の「労働者災害補償保険」については、中小事業主等(役員を含む。)のほかに、例外的に個人事業主などの加入が認められている「特別加入制度」があります。この制度の対象者は、現在建設業の一人親方や個人タクシーの運転手、トラクター等を使用する農業従事者などとされていましたが、今回、12月8日の労働政策審議会の部会で俳優などの芸能従事者やアニメーション制作の従事者、柔道整復師の3業種を追加することが了承されました。関係省令を改正し、来年度中の実施を目指すとされています。
 現在特別加入の加入者は約190万人、今回の改正による加入者はおおよそ1万5千人が見込まれています。
 雇用契約を結ばず仕事を請け負うフリーランスは現在増加しており、462万人といわれています。これら労働関係法令の適用外に位置する人々は、この度のコロナ感染症の拡大場面においても、所得補償が十分に受けられない等の問題が発生しました。多様な働き方改革を目指すなか、これらの人々のセイフティーネットとして、政府も「特別加入制度」の適用拡大を検討しているようです。

競争入札定時受付終盤に

 現在、令和3・4年度の競争入札参加資格申請定時受付が行われております。川崎市、横浜市に引き続き、神奈川県及び県内市町村につきましても既に終了致しました。
 今後は、国土交通省や防衛省、法務省、厚生省等の各省庁、(独)都市再生機構、中日本高速道路㈱、東日本高速道路㈱、日本下水道事業団等国や外郭団体などが来年1月15日までに申請となっているところです。
 また、山北町、国家公務員共済組合、国立印刷局等につきましては一括申請が適用されておらず、日程が異なっておりますので注意が必要です。ご希望の場合はご相談下さい。

編集後記

急転直下「 GoToトラベル」も年末年始全国一斉停止となりました。中小の旅行会社、飲食店への影響はいかばかりでしょうか。感染は依然高止まり状態です。一方死者が30万人を超えたアメリカではファイザーの接種が開始され、モデルナと併せると2千万人分の供給が確保されたと報道されています。期待されるところですが、副作用も心配です。
 非正規雇用者が厳しい生活を強いられる一方都心の高級マンションの売り上げは好調となっています。コロナの時代、格差の是正と所得再配分はいよいよ急務となっています。

年末年始休業のお知らせ

 本年も格別のご高配を賜りありがとうございました。来年も宜しくお願い致します。
当事務所の年末年始休業は以下のとおりです。宜しくお願い致します。
 令和2年12月29日~令和3年1月5日