健康保険・介護保険料引き上げ
毎年3月分(4月末日納付分=4月給与支給日)より変更されております協会けんぽの健康保険及び介護保険料の2021年度の料率が公開されました。健康保険料率につきましては、都道府県毎に決定されておりますが、今年度は富山県を除く全ての都道府県で変更が予定されています。因みに神奈川県は9.99%(現行9.93%)と引き上げ、東京都は9.84%(現行9.87%)と引き下げとなりました。
また、介護保険料は全国一律に1.79%から1.80%へと引き上げです。
因みに、労災保険料率、特別加入保険料率、労務比率、及び雇用保険料率につきましては本年度変更はございません。
神奈川労働市場
神奈川県の令和2年12月の求人倍率は0.76倍(前月より0.01ポイント上昇)、月間有効求人数は86,463人となり、前年同月比19.9%減、新規求人数は29,113人で前年同月比では9.3%の減ながら新規求人倍率は1.57倍(前月から0.1ポイント上昇)となっています。
一方月間有効求職者数は104,274人で、前年同月比23.5%の増となっています。新規求職者数は15,253人。前年同月比3.6%増となります。雇用情勢は「求人が増加しているものの、求人が求職を下回っており、厳しさがみられる」との労働局職業安定課の認識です。
コロナ感染症による緊急事態宣言下、飲食業をはじめ先行きはまだまだ不透明です。
参考:「神奈川労働市場月報 令和2年12月」https://jsite.mhlw.go.jp/kanagawa-roudoukyoku/jirei_toukei/koyou_roudou/_120820_00043.html 2021年2月19日取得
法律改正に伴う就業規則見直し
コロナ感染症の影響もあり、「働き方改革」は結果として、従来の働き方を見直す決定的な契機となっているように感じられます。
有給休暇が10日以上有る従業員に5日以上時季指定して取得させる等労働基準法関係の法改正、令和3年1月1日より子の看護休暇・介護休暇が時間単位で取得できる等両立支援に係る法律改正も進んでいます。これらは、その対応を就業規則に記載することが必要です。従前作成した就業規則では対応できない時代となってまいりました。
労使間のトラブルもインターネットの普及やユニオン(個人加入の労働組合)の活動により顕在化しやすくなってまいりました。会社のリスク管理もより重要となっております。
助成金の申請等にも就業規則の改正が必要な場合が多々ございます。
これを機会に是非就業規則を見直すことをお勧め致します。宜しくご検討下さい。
雇用調整助成金特例水準6月まで
政府は、休業手当の一部を補償する制度である雇用調整助成金の特例水準を6月末まで維持する方針を決めたようです。
現行の特例水準を一律適用するのは4月末(緊急事態宣言が全国で解除された月の翌月末)までとし、5月以降は感染拡大や企業経営の状況により差を設けるとのことです。
上限を1万5千円、助成率最大100%とする現行の特例は、直近3ヶ月の売上が30%以上減少した全国の事業所や新型コロナ対応で新設する「まん延防止等重点措置」の対象地域の飲食店などでは維持する方向です。
西村大臣は、早期の緊急事態宣言解除に慎重な姿勢をみせておりますので、改正特措法の活用については今後も注視して行くことが必要でしょう。とは言え神奈川県につきましては、残念ながら宣言解除の行方が先ず問題で、改正特措法の適用はもう少し先になるのではないでしょうか。
協会けんぽ出張窓口閉鎖
協会けんぽは、現在横浜中年金事務所と川崎年金事務所の中に出張窓口を開設しておりますが、令和3年5月14日をもって閉鎖されることとなりました。これにより県内すべての出張窓口が閉鎖されることとなり、基本的に全ての手続きが郵送受付へと移行いたします。
行政のスリム化が一層進むこととなっておりますが、行政サービスの低下が懸念されるところです。近年のデジタル化の流れは高齢者にとってサービスの利用が難しくなる、息苦しい時代のように感じられます。いかがでしょうか。
編集後記
日経平均はとうとう3万円台に乗りました。コロナ不況の中実感がわかないところではありますが、金余りが続いているようです。過熱感は全くありませんので、今後もしばらくこの流れで行くようです。
コロナ感染症も収束してきました。ワクチンの接種が開始されれば、世の中の空気が一変するかもしれませんね。飲食業や旅行業界は依然厳しい状況に変わりはありませんが。
しかし、こんな時代こそ犬養毅の「順境とか逆境とか、貧富とかを苦にするとかせぬとかとは、畢竟(ひっきょう)目的が定まって居るか居ないかに在る」との言葉どおり、人生の「目的」を見つめ直し、自分の志に集中すれば、新しい未来を切り開くことができるのではないでしょうか。とはいえ、遊びは人生にとってエッセンシャルですが。