高騰する原油価格への対応

なかなか収まらない原油価格の高騰に対して、助成金で対応する自治体も出てきています。

例えば、湯河原市は、「原油価格高騰対策支援金」として、事業所等が町内にある法人に4万円、個人事業主には二万円の助成金を出しています。

また、厚木市や大和市は、「中小企業原油価格・物価高騰対策交付金」の交付要綱を定めて、商工会議所に必要書類を提出するよう求めています。

平塚市は、「電気料高騰緊急支援補助金」として、市内に事業所を有し、事業を1年以上継続している事業者を対象に、前年度(令和3年4月~令和4年3月)の市内事業所の電気使用量の合計が10万kWh以上であることや事業用の電気料金のみを把握できることを条件に、補助金を出しています。このほかに平塚市では、前年度の市内事業所の電気使用量の合計が5万kWh 以上かつ10万 kWh 未満の事業主に向けて、小規模電気使用事業者緊急支援補助金という制度があります。

神奈川県も、中小貨物運送事業者を対象として支援金を交付する仕組みがあります。燃料価格高騰の影響を受けている県内の中小貨物運送事業者を対象に、緑ナンバーまたは黒ナンバーの車の台数ごとの助成金を出すとのことです。

国も総合経済対策においてなんらかの負担軽減策を来年度に打つことを明記しており、これが地方自治体の補助金に影響する可能性もあり、申請時に確認しつつ進める必要が生じることもあるようです。

助成金の申請等、なにかお困りのことがございましたらお気軽にご相談ください。

参考:湯河原市「原油価格高騰対策支援金のお知らせ」<https://www.town.yugawara.kanagawa.jp/soshiki/8/16998.html>2022年11月15日取得.

厚木市「厚木市中小企業原油価格・物価高騰対策交付金交付要綱」<https://www.city.atsugi.kanagawa.jp/soshiki/sangyoshinkoka/13/30954.html>2022年11月15日取得.

平塚市「電気料高騰緊急支援補助金」<https://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/sangyo/page33_00108.html>2022年11月15日取得.

神奈川県「中小貨物運送事業者に支援金を交付します!:神奈川県貨物運送事業者燃料高騰対応支援金のご案内」<https://www.pref.kanagawa.jp/docs/m2w/prs/r5683391.html>2022年11月15日取得.

杉本崇「高騰する電気代の補助金、国だけでなく自治体の支援策もチェック」朝日新聞社 『ツギノジダイ』<https://smbiz.asahi.com/article/14759675#inner_link_010>2022年11月15日取得.

11月は「しわ寄せ防止月間」

11月はしわ寄せ防止月間となっています。

① 週末発注・週初納入、終業後発注・翌朝納入等の短納期発注を抑制し、納期の適正化を図ること。

② 発注内容の頻繁な変更を抑制すること。

③ 発注の平準化、発注内容の明確化その他の発注方法の改善を図ること

上記の3点を心がけて、親事業者と下請け事業者がともに働き方改革に取り組むことを厚生労働省や経済産業省が勧めています。発注内容は明確にし、対価には、労務費が上昇した影響を反映することで、適正なコスト負担をすることも求めています。

参考:厚生労働省「『しわ寄せ』防止特設サイト」<https://work-holiday.mhlw.go.jp/shiwayoseboushi/>2022年11月15日取得.

労災認定に対する不服申し立て

労働災害が起きた場合、労災保険料率が引き上げられるメリット制において、事業主が「労災認定は違法」として国に不服申し立てができるようになる見込みです。

事業主の申し立てが認められた場合、被災者への労災保険支給は取り消されない一方で、保険料は増額されなくなるということです。ただ、被災者が事業主に賠償を求めて起こす訴訟に影響を及ぼす可能性があるという指摘もなされています。

参考:橋本拓樹、編集委員・沢路毅彦2022年10月27日「労災発生で保険料引き上げ、事業主の『不服』可能に 厚労省方針」朝日新聞社<https://www.asahi.com/articles/ASQBV6X32QBVULFA014.html#comment_area>[有料記事]2022年11月15日取得.

編集後記

先月、令和3年度NHK新人落語大賞で優勝された、桂二葉(かつらによう)さんの落語を観に行ってきました。有楽町朝日ホールの636席は満席、春風亭一之輔師匠との二人会という豪華さで、大満足で帰って参りました。桂二葉さんは、張りのある声と、勢いがありつつもやわらかな大阪弁で「天狗さし」と「佐々木裁き」を、最後に催されたトークコーナーまで会場を楽しませていました。

NHK新人落語大賞で女性が優勝するのは、桂二葉さんが初めてとのこと、落語界でも、少しずつ活躍する女性にスポットがあたるようになってきたようです。

男女雇用機会均等法の成立から早30年超、しかしながら働く女性のための制度設計は未だ道半ばといったところです。先述の二葉さんでさえも、業界内での妬みや嫉妬への対応や心の持ちようを一之輔師匠に聴いておりました。男女ともに、また多様な人々が働きやすい社会を実現したいものです。