失業給付の算定基礎の変更
失業給付を受給するための被保険者期間の算定方法が、令和2年8月1日より以下の通り変更となります。これにより従前日数が不足しているため受給できなかった者が対象となる可能性があります。
1.これまで、失業給付を受けるためには、離職日から1月ごとに区切った期間に基礎となる日数が11日以上ある月が12カ月以上必要でしたが、8月からは、11日以上又は労働時間が80時間以上ある月とされます。つまり10日以下の月でも80時間以上労働していれば対象となる、ということとなります。
2.これにより10日以下の月がある場合には賃金支払いの基礎となった労働時間を離職票に記載することとなりますので、該当者が離職する場合には、労働時間の記載がある出勤簿のご用意を宜しくお願い致します。
被扶養者状況リストについて
被扶養者状況リストは本年も10月上旬に送付される予定ですが、確認に関し厳格化が図られています。以下の場合には添付書類が必要とされますのでご留意ください。
1.被保険者と別居している場合
仕送りの事実と仕送り額が確認できる書類
2.海外居住者については、海外特例に該当していることが確認できる書類
収入証明等上記以外の証明書類については例年通り省略できます。
提出は11月末です。
今年度よりリストの確認を当事務所でも行いますので、今年度のリストは当事務所に送付されることとなりますのでご承知おきくださるようよろしくお願いいたします。
標準報酬月額の特例改定
新型コロナウイルス感染症等の影響ににより休業した場合、休業により報酬が著しく下がったときで一定の条件に該当する場合には、通常の随時改定(基本的賃金に変動があり、届け出の報酬月額と乖離した場合に保険料を変更する手続きで変動後4カ月目から保険料が変更)とは異なり、翌月より保険料を変更することが可能となりました。詳細は以下のとおりです。
1.対象者
全ての被保険者
2.著しく報酬が低下した月に支払われた報酬(支給総額)が現状の報酬月額に比し2等級以上下がった者。但し、その月の出勤日数が、17日以上あることが必要です。
今回の変動には固定的賃金の変動は必要ありません。
3.この特例の変動内容に関しては本人の書面による同意が必要とされます。
この変更により、傷病手当・出産手当・将来の年金額の受給金額に影響があるからです。
また、この同意書は提出することはございませんが、調査等の折確認することがございますので、必ず本人から提出を求め、届け出日から2年間の保管をよろしくお願いします。
4.対象となる保険料
4月~7月の間に休業により報酬が激減した場合にその翌月の5月~8月までの保険料が対象となります。
5.届出期限
令和3年1月31日まで
●留意点
1.休業により給与を支給していない場合や支援金を受ける場合でも対象です。
対象月に報酬がない場合は最低の標準報酬(健保58,000円、厚年88,000円)に改定されます。
2.今回に限り事業主から休業命令や自宅待機指示などにより休業となった場合は、仮に休業した日に報酬が支払われなくとも給与計算の基礎日数とします。
3.特例改定後に固定的賃金に変動が生じた場合には随時改定を提出することとなります。
4.7月又は8月に特例改定をした場合には、定時改定(9月より保険料が変更)が行われないため、休業回復をした月から継続した3カ月で2等級以上上昇した場合には固定的賃金の変動にかかわらず随時改定の提出が必要となります。
5.通常の随時改定と今回の特例改定が同時に発生した場合には選択することができます。
編集後記
東京都の感染拡大が止まりません。第2波とは誰も認めていませんが、緊急事態宣言解除後過去最高を記録し、3日連続290人台と微妙に300人目前の数値となっています。
このような中GO TOキャンペーンは続行(東京都の発着は除く)と言われてもなかなか難しいところがございますが、観光業界はコロナが先か、倒産が先かの状況のようです。
ここまで我慢の連続であった業界については、到底再度の休業要請は正に厳しい状況と言わざるを得ません。「歓楽極まりて哀情多し」コロナと言い、豪雨災害と言い、これまでが楽しすぎたのでしょうか。試練は続きます。できることは「手洗い」「うがい」「咳エチケット」「換気」だけ。頑張りましょう。