雇用調整助成金の特例の延長

政府は、4月26日に決定した「総合緊急対策」の中で、「雇用調整助成金の新型コロナウイルス感染症にかかる特例措置等について、原油価格・物価高騰等による影響がコロナ禍からの経済回復に及ぼす影響も十分に踏まえ、延長も含め、具体的な助成内容を検討の上、5月末までに可及的速やかに公表する」と明示しました。

雇用の維持に向けて、お手伝いできることがございましたら、お気軽にご相談ください。

参考:「コロナ禍における『原油価格・物価高騰等総合緊急対策』」,2022年4月26日<https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/genyukakaku_bukkakoutou/pdf/honbun.pdf>2022年5月6日取得.

経営事項審査の運用について

 経営事項審査について、本年度より変更となる運用があります。令和4年5月から変更となる運用としては、知事から大臣へ建設業の許可替えをされた場合に、前年(前回)、受審した時の技術職員名簿の写しを提出することが必要とされています。なお、許可替えの場合においても、前回受審時と有資格の変更がない場合は、資格に関する確認資料の提出は不要です。

令和4年4月から変更した運用としては、まず、技術職員名簿の新規掲載者がいた場合は、「技術職員名簿の新規掲載者申出書(参考様式)」を提出していましたが、提出が不要となることがあるという点があります。

次に、技術職員名簿の有資格区分変更等申出書の提出⽅法が変更となる点です。有資格区分を変更したときに、「技術職員名簿の有資格区分変更等申出書(参考様式)」を提出いただいていますが、様式が変更となり、有資格区分の変更をした場合だけでなく、変更がない場合も提出いただくことになりました。様式は、ホームページ<https://www.ktr.mlit.go.jp/kensan/kensan00000016.html>上に掲載しているとのことで、当面の間は、旧様式で提出された場合でも申請書は受け付けるとのことです。

参考:「経営事項審査の運用について」,2022年5月,<https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000829511.pdf>2022年5月6日取得.

安全対策の見直し

・安全帯のフルハーネスへの切り替え

本年1月より、建設業の高所作業で使われる墜落制止用器具においては、旧来の安全帯として認められていた「胴ベルト型(U字つり)」が使用できなくなり、「胴ベルト型(一本つり)」と「ハーネス型(一本つり)」のみが認められるものとなっています。

また、墜落制止用器具はフルハーネス型が原則となりますが、フルハーネス型の着用者が墜落時に地面に到達するおそれのある場合(高さが6.75m以下)は「胴ベルト型(一本つり)」を使用できます。

 さらに、「高さが2m以上の箇所であって作業床を設けることが困難なところにおいて、墜落制止用器具のうちフルハーネス型のものを用いて行う作業に係る業務(ロープ高所作業に係る業務を除く。)」においては、安全衛生特別教育が必要です。

厚労省は「墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン」<https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000212834.htm>を定めていますので、墜落制止用器具の選び方や正しい使い方についてご確認ください。ポイントは、①6.75mを超える箇所では、フルハーネス型を選定、②使用可能な最大重量に耐える器具を選定、③ショックアブソーバは、フック位置によって適切な種別を選定すること、となっています。

参考:杉本崇「墜落制止用器具(安全帯)、フルハーネス型が原則 2022年1月完全施行」,朝日新聞社「ツギノジダイ」,2022年2月8日,<https://smbiz.asahi.com/article/14539682>2022年3月17日取得. 厚生労働省「安全帯が「墜落制止用器具」に変わります!~安全・安心な作業のため、適切な器具への買い換えをお願いします~」<https://www.mhlw.go.jp/content/11302000/000473567.pdf>2022年3月17日取得.

・運輸業界のインターバル制度、休息時間の拡大

バスの運転手に関して、終業から次の始業までの間に休息時間を設ける「勤務間インターバル」の制度の見直しの方向性が、3月の厚生労働省の有識者検討会で合意されました。従来「8時間以上」とされてきたインターバルが、「勤務終了後、継続11時間以上与えるよう努めることを基本とし、継続9時間を下回らないものとする」と改定される方針です。今後、バス以外の、タクシーやトラックの運転手についても同じ方向で議論するとのことです。

参考:橋本拓樹「休息時間『11時間以上』を努力義務へ 運輸業界のインターバル制度」,朝日新聞,2022年3月16日<https://www.asahi.com/articles/ASQ3J3RKZQ3GULFA03N.html#>2022年4月12日取得.厚生労働省「第6回労働政策審議会労働条件分科会自動車運転者労働時間等専門委員会バス作業部会資料」,2022年3月16日<https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24197.html>2022年4月12日取得.

編集後記

コロナ感染症の新規感染者はゴールデンウィークの規制解禁状態の人流を考えますと、全国35,008人と落ち着いてきた感があります。しかし、この感染症に関する労災認定は21年度19,000件余りと前年度のおおよそ4倍となっており、この中には「後遺症」による認定も含まれています。現在厚労省は、感染経路が特定できなくても業務との関連性が認められれば原則認定しており、後遺症が継続する場合は「罹患後症状」として申請して欲しい、としています。そのような場合はご相談下さい。