健康保険・介護保険料引き上げ

 毎年3月分(4月納付分)より変更されております協会けんぽの健康保険及び介護保険料の2020年度の料率が公開されました。健康保険料率につきましては、都道府県毎に決定されておりますが、今年度は京都府、兵庫県を除く全ての都道府県で変更が予定されています。因みに神奈川県は9.93%(現行9.91%)と引き上げ、東京都は9.87%(現行9.90%)と引き下げとなりました。
 また、介護保険料は全国一律に1.73%から1.79%へと引き上げです。
 ところで、わが国では主だった大企業につきましては、健康保険は協会けんぽではなく、健康保険組合の適用とされています。今年度より健康保険組合では年収が高い人に多く負担してもらうシステムが全面施行され、年間1万円を超える負担増となる人が増加するとされています。大企業が中心の健康保険組合の保険料は前年度より700億円増える見通しのようです。
 制度変更の時点ですでに所得水準に比例した保険料制度に移行していますが、2020年度以降は緩和措置がなくなるため、今回のようになりました。
 介護保険は高齢化が進む中で現役世代の負担が増しており、今後は介護を受ける高齢者の負担増やサービスの内容に関し絞り込みが必要とされます。今後一層の制度改革が求められるところですが、結果として介護事業者に恩恵がもたらされることは大変期待されるところです。

建設業許可代表取締役の常勤性

 現在、神奈川県では許可申請の際、経営業務の管理責任者や専任技術者の常勤確認書類が、代表取締役や個人事業主については省略が可能となっておりますが、本年10月より省略できなくなる予定です。
 これにより、2以上の会社で役員または従業員として勤務する方につきましては、、経営業務の管理責任者や専任技術者の登録をするためには、以下のいずれかの確認書類等が必要となります。
 更新申請等を控えている会社の皆様はご留意ください。事前の準備が必要となる場合もございます。ご相談下さい。
①健康保険被保険者証の写し
②直近の健康保険・厚生年金保険者標準報酬決定通知書の写し
③直近の住民税特別徴収税額通知の写し
④直近の決算書の勘定科目内訳明細書の役員報酬等内訳書の写し(報酬年額が130万円以上に限ります。)

精神障害者の算定方法改正

 令和2年度の障害者雇用納付金制度の説明会が開始されました。障害者雇用に関し、法定雇用率を下回った事業主が納付金を納める制度で、基本的には障害者雇用を事業主が共同で果たして行く責任ということになっています。そのため、法定雇用率を上回ってこようしている場合には報奨金制度があり、その財源もこの納付金となっています。
 さて、今年度の精神障害者算定方法につきましては、雇い入れから3年以内又は精神障害者保健福祉手帳の交付を受けて3年以内の方で令和5年3月31日までに雇い入れられ、手帳の交付を受けた方については、短時間(1週20時間~30時間)労働者であっても対象者1人につき、0.5であったところ1としてカウントすることとなりました。雇用率の計算では大きく変わるところです。該当者がいる場合はご注意下さい。
 また、この納付金関係業務に関しまして調査が高齢・障害・求職者雇用支援機構(千葉県の納付金部調査課)により開始されております。今年度は平成29・30・31年度の3年分の申告につき調査が実施されました。過少である場合は本来納付すべき額に10%の追徴金が加算され、過大である場合は還付されます。ご留意ください。

編集後記

 先の見えない混乱状態が続いています。もちろんコロナウイルスのことです。既にSARSを超える死者数。国内でも死者がでました。人の移動が制限され、サプライチェーンにも大きな影響が生じています。GDPは2四半期連続マイナスのようです。黒田総裁は追加緩和にためらわない、と言っているようですが、どうでしょうか。
 神戸では赤十字病院でサージカルマスクが6000枚盗難だそうです。インターネットでの転売目的でしょうか。残念なことです。
 こんなときこそ、自らは自分のやることをやり抜くことが必要なのではないでしょうか。サマセット・モームは『月と6ペンス』のなかでゴーギャンをモデルにしたストリックランドに「川に落ちれば、泳ぎの上手い下手は関係ない。岸に上がるか溺れるか、ふたつにひとつだ。」と言わせています。凡事徹底ですね。