任意継続被保険者取扱い変更

 全国健康保険協会の被保険者が資格喪失(退職等)後に任意継続の資格取得手続きをする場合、従来は健康保険の資格喪失データが日本年金機構より連携されなければ、被保険者証が発行されませんでしたが、令和元年10月1日からは、事業主が発行した退職証明書等(雇用保険被保険者離職票の写し、資格喪失届の写し、資格喪失が証明できる事業主又は公的機関の証明印が押印された書類、健康保険・厚生年金資格喪失連絡票)を添付することにより交付をうけられるようになります。被保険者の届出から交付まで一定の期間を要していたため、利便性の観点から変更されました。
 任意継続制度は、健康保険被保険者であった者が、喪失後2年間は加入できる制度です。保険料は退職時の標準報酬月額の事業主負担分を被保険者負担分と併せて納付することとなり、加入中の2倍の保険料となりますが、30万円という上限金額が設定されているため、月額給与の額が高額な方には国民年金に加入するより保険料が安価になる場合があります。なお、保険料は原則保険料の料率が変更となる場合や県外への転出等がなければ2年間変更されません。ご確認下さい。加入要件は以下のとおりです。
1.要件
 ① 資格喪失日の前日までに、「継続して2ヶ
  月以上の被保険者期間」があること。
 ② 資格喪失日から「20日以内」に申請する
  こと
 ※申請は自宅を管轄する全国健康保険協会
  の都道府県支部にて行って下さい。
2.保険給付
 在職中の被保険者が受けられる保険給付と同様の給付が原則ですが、傷病手当金、出産手当金については在職中に既に受給していて継続する場合以外は受けることができません。

最低賃金1,011円へ

 厚生労働省では全ての都道府県労働局に設置されている地方最低賃金審議会が答申した令和元年度の地域別最低賃金の改定額を取りまとめました。
 答申された改定額は関係労使からの異議申出を経て都道府県労働局長の決定により令和1年10月1日から10月上旬に発行される予定です。
 既に先月お知らせ致しましたが、東京、神奈川では以下のとおり全国初の1,000円超えとなり、全国の加重平均は901円。全国加重平均の27円引き上げは、昭和53年度の目安制度開始以来最高額となりました。
 最高額(1,013円)と最低額(790円)の金額差は223円となり平成15年依頼16年ぶりの改善とされています。
 神奈川県:1,011円(昨年983円)
 東京都:1,013円(985円)
 静岡県:885円(858円)

解体工事業経過措置終了

 平成28年6月1日に施行された解体工事業の追加に伴う経過措置が、令和元年5月31日をもちまして終了致しました。
 これにより、従前「とび・土工・コンクリート工事」の許可で施工することができていた解体工事が、業種追加申請をしないとできないこととなりました。解体工事の受注を予定される事業者の方は至急ご相談下さい。

有給休暇時季指定義務

 本年4月1日より施行されました事業主の年次有給休暇の時季指定義務ですが、既に6ケ月を経過しており、なかなか進んでいない状況のようです。
 これは、有給休暇の取得が労働者の申出に委ねられていたため取得率が低調だ、ということから、年10日以上年次有給休暇が付与される労働者に対し、年次有給休暇の日数のうち5日は使用者が時季を指定して取得させることが必要とされる制度で、30万円以内の罰金もあります。
 勿論、既に5日以上取得している労働者に対しては不要ですし、計画的付与を5日以上している場合も同様です。使用者は有給休暇の管理簿を3年間保管する義務があります。
 この時季指定については、就業規則に計画付与の定めを設けること、時季の指定に関する取り決めを記載することが必要です。
 労働基準法改正、「育児・介護規程」等就業規則の変更につきましてはご相談下さい。

編集後記

 新しい内閣が発表されました。小泉進次郎と橋本聖子の入閣が目玉というところでしょうか。目前に迫った消費増税10%の影響も軽減税率やポイント還元も含め、今後の状況を見極めたいところです。
 「万の事、皆わがちからをはかるべし」どんなことでも自分の力量を知った上で行いなさい、という貝原益軒の言葉ですが、トランプ大統領、安倍晋三首相、文在寅大統領を「他山の石」として、謙虚に人生に取り組みたいものです。