算定基礎届について

 「算定基礎届」は、毎年9月1日から翌年8月31日までの保険料を決定する重要な届出です。4月~6月に支払った賃金が必要となりますので、ご用意を宜しくお願い致します。
 また、本年も「健康保険・厚生年金被保険者等の資格及び報酬等の調査」のご案内が届いている事業所が散見されます。その際にはご連絡下さい。
 この調査は被保険者の加入漏れ等適正手続を調査するもので、2年~4年に一度実施されるものです。今年度は地域の公共施設等を利用している年金事務所が多いようですが、必要書類を郵送で求めるところもあるようです。

中華人民共和国との協定

 令和元年5月16日「社会保障に関する日本国政府と中華人民共和国との間の協定について」の公文が交わされ、令和元年9月1日より効力を生ずることとなっています。
 これは、日中両国の企業等から相手国に一時的に派遣される被用者等については、現在日中両国の年金制度に加入することが義務付けられており、年金保険料を両国に支払うこととされているため、二重払いのような状態が続いておりました。
 そこで、今回のこの協定の規定により、派遣期間が5年以内の一時派遣被用者については、原則として派遣元の国の年金制度にのみ加入することとなります。
 この協定の実施に当たっての事務手続きの詳細については6月下旬以降に年金機構のホームページにて案内される予定です。今後中国で雇用される日本人被用者については、中国の年金制度への加入が免除されるために必要な書類「適用証明書」の交付申請を8月1日より受け付けるとのことですので、ご留意下さい。証明書の発送は9月1日以降順次とされています。

「働き過ぎ防止に関する調査」実施

 本年度も、各労働基準監督署より「働き過ぎ防止に関する調査」が実施されています。
 就業規則、36協定をはじめとする各種届出等の確認、残業(割増)の未払いに関する是正等が中心になってまいりますが、健康診断の実施状況及びそれに伴う医師の面談、「働き方改革」から有給管理等も重点的に調査しております。
 近年、法律改正も頻繁になされておりますので、この機会に就業規則の見直しをすることが企業としては重要になってくると思います。有給休暇の5日付与義務等規則への書き込みもご検討下さい。その際はご相談下さい。

残業月80時間超の労働者への通知

 面接指導の対象が「月80時間超」に引き上げられたことに伴い、時間外・休日労働が「80時間」を超えた労働者については、会社が本人に対し労働時間等を通知することが義務付けられました。これは、長時間労働をする労働者に面接指導の申出を促すためです。併せて面接指導の実施方法、時期等の案内も行うことが望ましいとされています。
 また、常時50人以上の労働者を使用する事業所につきましては、時間外・休日労働が月80時間を超えた労働者の氏名、残業時間、健康管理のために実施した措置等を産業医に通知する義務もあります。ご留意下さい。

改正入国管理法の政省令公布へ

 法務省は、3月15日に4月から新設されております「特定技能」の在留資格に関する政省令を公布しています。
 外国人については、これまで不当に安い労働力として技能実習制度が悪用されてきた経緯に鑑み、これらを防ぐため、外国人の受け入れ企業が満たすべき基準を示しています。
 雇用契約の基準は以下のとおりです。
①分野省令で定める技能を要する業務に従事させるものであること
②所定労働時間が、同じ受入れ機関に雇用される通常の労働者の所定労働時間と同等であること
③報酬額が日本人が従事する場合の額と同等以上であること
④外国人であることを理由として、報酬の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について差別的な取り扱いをしていないこと
⑤一時帰国を希望した場合、休暇を取得させるものとしていること
⑥労働者派遣の対象とする場合は、派遣先や派遣期間が定められていること
⑦外国人が帰国旅費を負担できないときは、受入れ機関が負担するとともに契約終了後の出国が円滑になされるよう必要な措置を講ずること
⑧受入れ機関が外国人の健康の状況その他の生活の状況を把握するため必要な措置を講ずること
⑨分野に特有の基準に適合すること

編集後記

 目まぐるしい昨今の状況です。参議院選挙は衆参ダブルになるのか。解散風が吹き始めていた矢先に金融庁の老後の2000万円貯蓄問題で一気に吹き飛んでしまいました。消費税の10%も本当に10月に実施されるのでしょうか。
 先の見えない米中の貿易戦争。ファーウェイの締め出しも今後の覇権争いでは米国にとって必須要件なのかもしれません。GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、)は今後も世界を独占できるのか、ファーウェイの巻き返しも注視していかなければなりません。とはいえ私たちにできることは、「一以てこれを貫く」(孔子)自分が決めた信念を貫くことでより安定した人生を生きること。これしかありません。頑張りましょう。